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2021.06.08 展覧会アーカイブ, ギャラリービス展示, Exhibitions

キム・ミョンファ個展「CONTEXT」

キム・ミョンファ個展「CONTEXT」
https://www.dohjidai.com/gallery/exhibition/20210608_0613b_b/

今週のギャラリービス展示その2は、キム・ミョンファ個展「CONTEXT」。
ギャラリービスの白い壁にポップでカラフルな油彩画が並ぶ。
今回人生初の個展となったキム・ミョンファ氏は、普段は大阪で生徒に美術を教えている傍ら、フェミニストとして様々な活動を行っており、設置されているポートフォリオでは、彼女の作品だけではなく、今まで手掛けたポスターなども見ることできる。
キム・ミョンファ氏自身が、この絵の人物像は自分自身と語り、様々な思いを込めた油彩画たちをぜひ観にきていただきたい。


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「CONTEXT」
コンテクストを問い直す
要因が解明の糸口である
コンテクストは固定ではない
社会構造とともに変容する

倫理や規範に対するコンテクストの問い直しは特に念入りに。支配や搾取に加担したくもないし、かと言って殊更守りに入りたくもない。
また無いと思って踏み付けていたものは、単に見え辛かっただけの境界の縁かもしれない。
問い直さないコンテクストは忘れ去られ、いつしか無意味な形式だけが残る。そしてそれは自らを不自由にしばる、クソ校則のようなものになる。

それまで尊敬していた思いがけない人から”人権屋さん”と揶揄された事がある。
言葉や行動、意識は社会的弱者や一定の層に対して多大な暴力、生存の脅威となり得る。
例えば私たちは「人はみな平等である」という普遍的で抽象的な命題を“共有“しているが、実際の生活の中で個々の人々の平等がどのように侵害され、どんなギャップがあるのかについて、具体的に”共有”しているだろうか。
コンテクストの専有、もしくは形骸化が他者への傲慢に繋がっているのではないか。
あらゆる人権問題を考える時に前提となる個別の不平等や交差性、加害性を、どれだけ具体的に認識し、認識していないのかを問い直す。
フェミニズムによって幾分か自由になれた私は、それまでの自分の加害に押し潰されそうになりながら、でも潰れる訳にもいかないし、腹を据え、じたばたともがき抵抗する。人権屋さん上等である。
正しく、そして厚かましい、フェミニスト、アクティビストとしてのコンテクストの日々の問い直しを制作コンセプトにした。
※作家在廊日:毎日
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金明和 / Kim Myong Hwa / 김명화

Instagram:@myong_fa

1972年 兵庫県神戸市生まれ。大阪府高槻市に育つ。
1993年 朝鮮大学美術科卒
朝鮮学校美術教員として勤務(現在は北大阪朝鮮初中級学校・大阪福島朝鮮初級学校・京都朝鮮初級学校の美術非常勤講師)
2021年 ゲリラガールズ研究会所属。
李信恵著「#鶴橋安寧-アンチヘイトクロニクル」、小説「1945、鉄原」、「あの夏のソウル」の表紙絵、挿絵を担当。

▼▼▼展示履歴

2015年5月 紙色気土逢 gallery THOREY
2015年9月 おしえるひと=おそわるひと ART FORUM JARFO
2016年10月 109の土偶展 アートスペース煌翔
2017年5月 KYOTOGRAPHIE CLUB LUV ++2017 CLUB METORO
2019年11月~ 12月 世界のKAWAII展 渋谷 Picaresque Gallery
2021年8月22日〜10月11日 ヨコハマトリエンナーレ「刷音」