作家紹介
クニト
Kunitoモノゴトの持つ二面性は、私の大きな関心事である。
表と裏の関係性を考えたとき、物質における表裏は連続した表面(ひょうめん)であって、表裏を分ける境界線をつくることがない。表裏の境界線は空間的概念によって明確になる。表は見えている面、その位置から見えない面が裏になる。これは立ち位置を変えることによって表裏の境界線が移動していく。この時の見える·見えないの概念的な関係性は「〇〇ない」という単純な否定ではなく、独立した概念となる。二面性が二元論として対立するのではなく、たくさんの階層の中から、ぶつかり合っている。このような否定ではない構造は日常社会の中に潜んでいて、それぞれの階層は独立した概念であり、その構造は人間らしさを感じる。私の制作において個人の出来事が社会の中の出来事と表面的に繋がりつつも体験を通した思考として独立したものとなっていて、モノゴトの時間軸を無視しながら、二面性を考え表現する。
略歴
1981 奈良県奈良市生まれ
2005 金沢美術工芸大学美術工芸学部工芸科陶磁コース卒業
2007 金沢美術工芸大学大学院美術工芸研究科修士課程工芸専攻陶磁コース修了
2018 金沢美術工芸大学大学院美術工芸研究科博士後期課程美術研究領域彫刻分野修了 博士(芸術)取得
主な個展
2021 「標高156センチメートル」アトリオン2階美術展示ホール、秋田
2021 「非行為と非物質と透明な線」ギャラリー58、東京
2019 「内にある鏡、景色になる自分」ギャラリー58、東京
2018 「宇宙(せかい)のいと」金沢市立安江金箔工芸館、石川
2018 「異質の、対極。」同時代ギャラリー、京都
2017 「クニト個展」ギャラリー58、東京
2013 「クニト個展」MU東心斎橋画廊、大阪
2012 「11 010 1010」ギャラリー点、石川
2011 「クニト個展」ギャラリー58、東京
2008 「クニト展」滋賀県立陶芸の森信楽産業展示館、滋賀
2003 「sen」アートドラックセンター、愛知
主なグループ展
2019 「壁11㎡の彫刻展 4」いりや画廊、東京
2018 「Square展」ギャラリー58、東京(‛21)
2015 「学園前アートウィーク2015」中村家住宅、奈良
2008 「Zアンデパンダン展」金沢21世紀美術館、石川
1986 「二人展」大阪現代ギャラリー、大阪
主な受賞歴
2020 「KAIKA TOKYO AWARD」入選
2018 「農村舞台アートプロジェクト2018」入選
2010 「第13回岡本太郎現代芸術賞」入選
パブリックコレクション、コミッションワーク
金沢美術工芸大学、石川/FAN美術館、岡山/三井ガーデンホテル金沢、石川/メズム東京、オートグラフ コレクション、東京/ギャラリークレヴィア有楽町イトシア、東京/Antognolla、イタリア