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中村ヒカル個展『HAPPY BIRTHDAY』
今週のギャラリーショップコラージュは【中村ヒカル個展『HAPPY BIRTHDAY』】を開催しています。
京都造形芸術大学の大学院1年生(4月から院2年生)、中村ヒカルさんによる個展です。
中村さんは、学部の1年生ではキャラクターデザイン学科に所属していました。しかしほとんどの授業がパソコンによって画面上で作品を制作する内容だったため、2年生の時に美術工芸学科総合造形コースという学科へ転学し、自分の手によって作品を制作できる環境へ移られたそうです。
それからは石や木、鉄、樹脂など様々な素材の扱いも勉強しながら、最終的には陶芸のゼミに入り、土という素材の魅力や表現を探求し続けています。
今展では、自身の感情や空想からイメージし制作したオブジェや陶のレリーフ、銅版画などの作品を展示しています。
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私は自分の感情や空想をテクスチャーを伴ったイメージの塊に置き換えるため、粘土を使っています。
自分の殼に閉じこもっていた幼少期の頃の体験や絶望的な気持ち、孤独で行き場のない感情など、とてもネガティブな心の状況を、空想することを通してポジティブなイメージに変える方法として、土で造形し、焼成を行う陶芸という手法を選びました。
具体的には、現実的でネガティブで、生きることに貪欲な心の状況を、酸素を抜いて土を窒息死状態にさせながら焼成する「冷却還元焼成」で黒くした土の作品として表現し、それとは真逆の空想に伴う安心感を、ピンクを基調とした様々な色の土を点描した作品として表現しています。
自分の強い感情の動きや、空想の持つあたたかな曲線的な形を感覚的に表現する為に、手の動きをそのまま形として表現しています。
また、今回の作品を制作するためのドローイングを銅版画として表現しています。
誕生日はうきうきします。うきうきしない人もいるかもしれません。でもここに存在していることを祝って欲しいと、一度も思わない人はいないと思います。
どんなものにだって誕生日はあります。感情にも、空想にも誕生日はあります。形にならないものを形にすることで、その誕生を認め、祝福したいのだと思います。
お誕生日、おめでとう。
(2018年3月吉日 中村ヒカル)
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また、会場内である事をすると、自分の誕生日に中村さんからバースデーカードが届くというお楽しみもあります。
会期中は中村さんも在廊されます。
ぜひご来場ください…!
会期:2018年3月13日(火)~3月18日(日)
12:00~19:00(最終日は18:00迄)