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佐々木友恵 個展「なにものでもない」
今週のギャラリーは【佐々木友恵 個展「なにものでもない」】を開催しています。
同時代ギャラリーでは約3年ぶりとなる佐々木友恵の個展です。
前回の個展(2015年「変わりゆく残像」)では漆を塗り重ねては研ぐ行為を、積み重なっては消えていく記憶や感情の変化になぞらえ制作したものが多くあ りました。今回はその延長でもありますが、映り込むことや透けて存在が薄くなっていく漆の特性をきっかけに、意識と肉体を含む物体との関係に注目し制作しています。
漆による立体・平面作品、写真、インスタレーションなど多様な作品を発表します。
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私たちは自分の顔や雰囲気をダイレクトに見たり感じたりできないため、鏡やもの、人の反応を通して自らの状態や存在を確認しています。自分以外の「もの」 は、すべて思考を映す媒体と解釈すると、ひとつのものに対して人の数だけ解釈が存在し、これは何と誰かが決めようともそれは一時的な基準にすぎず、ものの 意味の変容は誰も止めることはできません。それは、刻々と変わる外部環境、社会、時間の流れにともなう物質の変化との絶妙なバランスの中で、弱小な生き物 が奇跡的に存在するうえで意識させられざるを得ません。
作者にとって漆は、施す過程や質感、とても幅広いことが魅力であります。ただ伝統技法に法って完成させることが目的とはならず、あくまで社会での存在確認のための手段として制作しています。少し立ち止まって観ていただければ幸いです。
〈佐々木友恵/SASAKI Tomoe〉
1983年生まれ
2007年3月 京都市立芸術大学美術学部工芸科漆工専攻 卒業
2009年3月 京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程漆工専攻 修了
http://kkiitomoe.chips.jp/
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ぜひご来場ください。
会期:2018年2月20日(火)~2月25日(日)
12:00~19:00(最終日は17:00迄)
作家在廊日:2/20(火)、2/24(土)、2/25(日)
2015年の個展の様子はこちら↓