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佐々木友恵『変わりゆく残像』
今週のギャラリー展示『変わりゆく残像』
作家・佐々木友恵による個展です。
今回の展示作品の多くは、幼少期の記憶にあるシーンをもとに制作しています。私の場合、家族のこと、宗教、近所の風景など、特に5歳くらいまでの記憶が鮮 明に残っており、その記憶自体が、その後の私の歩みに大きな影響を与えています。とはいえ、その記憶は時間の経過とともに上塗りされ、もはやその当時のも のではないかもしれません。
自らの手でイメージを描き、漆を塗り重ねて研ぎ出した模様は、時を経た記憶に似ています。出来上がった作品は漆の透明化により色味や明暗が変化してゆきます。時が経つにつれ上に塗った層が徐々に透けて、今まで見えなかったものも見えてくるでしょう。
新しい解釈による新しい過去の風景を見ることで、時の経過を感じ、同時に未来へのイメージも変化させていくことが出来ます。(会場挨拶文より)
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様々な色の漆を塗り重ね研ぎ出した塗面にあらわれるおぼろげなイメージに、思わず引込まれます。
近くで見たり離れて見たり、、、色々な角度から作品を見ることで、それぞれに異なる表情を味わうことができます。
奥小部屋ではインスタレーション作品を展示しています。
漆を塗った上に日記を書き、またその上から漆を塗り日記を書く、という行為を繰り返して出来た漆の膜。時が経つとそれらは消えてなくなってしまうのでしょうか。。。
同時代ギャラリーでは、約3年ぶりとなる個展です。皆様ぜひご覧下さい。
〈佐々木友恵/ Sasaki Tomoe 〉
1983年生まれ
2007 京都市立芸術大学美術学部工芸科漆工専攻卒業
2009 京都市立芸術大学大学院美術研究科漆工専攻修了
会期:2015年3月3日(火)~3月15日(日)※3月9日(月)休廊
12:00~19:00(最終日は17:00迄)