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2021.03.09 展覧会アーカイブ, ギャラリービス展示

『Life speed』 Automatism by shinkansen

【 『Life speed』 Automatism by shinkansen 】
会期:2021年3月9日(火)〜3月14日(日)
時間:12:00〜19:00(最終日は17:00まで)
会場:ギャラリービス

 

 

 

 

写真作家・みまつひろゆきによる写真展「Life speed」です。

「車窓から見える流れゆく景色は、操ることが出来ない時間の中で、
自分のペースで生きる意味を問いかけられている気がする。」
みまつ ひろゆき

 

仕事柄よく新幹線を利用されていたみまつさんは、これまではぼんやりと眺めるだけだった車窓からの景色をカメラで撮ってみたことがきっかけで、「新幹線の車窓」シリーズの写真を制作されるようになったそうです。

手前には、乗り物自体の速さを実感するようなスピード感のある景色が見えます。はたまた遠くには、青空に浮かぶ雲や大きな山々が見え、ゆったりと時間が流れているかのようにも思えます。様々な時間の流れが感じられ、不思議な感覚になります。

 

新幹線の小さな車窓から、一瞬で通り過ぎる景色を切り取ることで見えてきたこと。
以下、みまつさんの文章をそのまま紹介させていただきます。

 

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Automatismな視点

今回の作品は、すべてshinkansen のぞみの車窓から撮ったものです。私が撮ったというより、shinkansenに撮らされたと言った方がピンとくる気がします。

バイク、車、船舶、操ることが好き。それにいつでも行き先を変えられる自由さが私の性格に合ってるんだと思います。自ら操れない乗り物に乗ると、少し窮屈に感じることがあります。大袈裟に言うと、自由を奪われたような。たかが数時間のことなのに、です。

じっとしていても目的地へ運んでくれる快適だと信じられた乗り物の中では、窓の外に見える場所はただ眺めるだけの存在でしかなく、そこに降り立つこともその場所に留まることも出来ない時間を、やり過ごすことになります。
学校や企業、組織に属した時点で、誰かが決めた時間の中で、与えられた何かを、誰かが決めたルールの中でうまくこなす。同じ時間を共有し同じ方向へ進む事で連帯感が生まれる。考えることや疑問を抱くことなく生活出来ることは、ありがたいことかもしれない。ただ不条理な疑問を受け流すことに疲れ、画一的な空間に息苦しさを感じた途端、感情や思考の連鎖が生まれ、そこから抜け出したいと思う人は想像以上に多いと思います。私は処方箋を持ち合わせてはいません。自らの道を決めるのは自分でしかありませんから。ただ操れない乗り物に乗っていたとしても、視点を変えることで、大きく好転することも多い、それだけは伝えられるのかもしれません。

今回の作品は、私の作品でありながら、もう一人の私が撮影した風景。そんな印象があります。同じ時間を共有しながらも見える世界は人それぞれ。経験上、染み付いた視点の癖を変えることは、とても難しい。視点を変えるきっかけを作ってくれたshinkansen。これからも飽きることなく撮らされることを楽しみたいと思います。

そういえば、地球も自転してるんですね。

(みまつひろゆき)

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〈みまつ ひろゆき〉
2021 『Life speed』の個展開催(同時代ギャラリー)
写真集『Life speed」を日英バイリンガルで出版(発行:同時代ギャラリー)
2020 医療系製品の発明者として2件目の特許取得
2019 写真表現大学にて写真を本格的に学ぶ
2001 ヨーロッパ 旅行中、絵画と街のデザインに興味を持ち写真を始める
1991 医療系ソフトウェア開発へ転籍
1988 ソフトウェア技術者として 宇宙開発関連の開発に参加
1983 船員として働き始める、3年後に乗船中の事故により下船
1982 航海士を目指し国立波方海員学校で航海術を学ぶ
1964 大阪に生まれる

◆official site 写真考具 https://maimuac.com

 

※みまつさんも、本展示に合わせて写真集を発表されました。
同時代ギャラリーのオンラインショップにてご購入可能です。(こちらから)

 

「情報のうねりの中を切り取り自分の現在を確認する中に、
古今東西の巨匠のイメージが美術史のように織り込まれ内包されている。」
(評論文より抜粋)
宝塚市立文化芸術センター館長/大阪芸術大学客員教授 加藤 義夫

 

 

【キャラリートーク YouTube配信】

「生きるを写して」
写真作家 みまつ ひろゆき
写真家  駒﨑佳之 (個展「鹿の夢」同時開催)
司会   タシロユウキ(photo blogger)
撮影・編集 中矢修司(HAMAOKA STUDIO)

 

ジャンルの違う二人の写真家が同時代ギャラリー(京都)で初めての個展を同時開催。

自分らしく生きるスピードとは?を問いかけたsinkansenからの風景を斬新な写真絵画で描く「Life speed」 写真作家:みまつひろゆき

新聞社の報道カメラマンを退職後、滋賀の針畑を拠点に活動し人と動物の命の繋がりを探り、また震災直後の三陸沿岸でのボランティア活動を機に、今を生きる人と亡くなった人の絆を探る。生きるとはを問いかけた「鹿の夢」 写真家:駒崎佳之

Photobloggerのタシロユウキが生きるを写す二人の作品の本質に迫ります。

 

 

 

 

「写真作家 みまつ ひろゆき 個展の記録」

2021年3月、同時代ギャラリーで開催された「LIfespeed Automatism by shinkansen」みまつ ひろゆき写真展を、神戸を拠点に活躍するフォトグラファー中矢修司(HAMAOKA STUDIO)が密着取材。

写真集  https://dohjidaishop.com/collections/artbook/products/mimatsuhiroyuki_lifespeed

制作・撮影  中矢修司(HAMAOKA STUDIO) HAMAOKA STUDIO https://hamaokast.com

協力  大阪国際メディア図書館・写真表現大学  http://medialib.jp

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真集「Life speed」 ご購入はこちらから

 

 

 

 

2021.3.13 京都新聞 掲載