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若林亮 個展「角ぐむ大地に」
若林亮 個展「角ぐむ大地に」
2022.5.24 (tue) – 5.29 (sun)
12:00-19:00(最終日は17:00まで)
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今週のギャラリーでは、企画展として、若林亮さんによる個展「角ぐむ大地に」を開催しています。
若林さんは鉄を扱う作家で、同時代ギャラリーでは作品制作の他にも、1928ビルの入り口前にありますビルモニュメントやギャラリー看板を制作いただいていています。
若林さんの作品は、鉄のキラキラした状態から錆びていく過程を作品や製作モニュメントに取り入れている様子から感じたことですが、若林さんの作品は、根底には自然や時の流れを鉄で表現しているように思えます。
今回はタイトルに「大地に」とあるように地の上にあるもの、根ざしているものがコンセプトです。
倒れたまま朽ちていく大木、萌え立つ草木、鉄から芽生える植物。自然の中では共生しているのと同じように、ギャラリーでも同じ空間に存在しています。
角ぐみ、朽ちて、また生まれゆく、それはきっと鉄も同じで時が経つにつれ錆びて朽ちてゆきます。
自然の中で息を吸い込むと鼻がツンとするように、この空間でも錆びの匂いが鼻をくすぐり、錆びていない鉄と、朽ちつつある倒れた大木とその幹を表現したオブジェが横たわり、小さな命が芽吹きます。
私たちが自然に立つと生きていることを実感するように、そしていつか終わる時間の流れを感じるかのように。
是非一つ一つじっくり観察していただければ幸いです。
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鼻の奥で血のにおいを感じた。
風にゆれる葦と横たわる倒木
新緑と血のにおいが混ざりあう中
角ぐむ大地に立ち
自身の体が錆ゆくものだと実感する。
若林亮/Ryo WAKABAYASHI
1985 大阪府生まれ、京都府在住
2010 京都精華大学大学院芸術研究科修了
〈主な作品・展覧会・プロジェクト〉
2009/2012 大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ(新潟)
2015 Open Field Seoul Kyoto (弘益大学 ソウル)
2013/2016 瀬戸内国際芸術祭 (高見島 香川)
2017 個展「屹立する情景」 (京都 同時代ギャラリー)
2017 ART RAINBOW PROJECT 2017 in KOREA
2018 ART RAINBOW PROJECT 2017 in GERMANY
2018/2019/2020 京都府 新鋭選抜展 (京都文化博物館)
2020 個展「Dairy Work」 (京都 JARFO アートスクエア)
2020 個展「彫刻と人、その空間において」 (JARFO 京都画廊)
2020 ドライブイン展覧会「類比の鏡 The Analogical Mirrors」(滋賀 山中Suplex)
2020 個展「循環する只中に」(京都 同時代ギャラリー)
2021 個展「−刻々と、−」(京都 ギャラリー ヒルゲート)
2021 グループ展「山中サマーソルトキット」(京都 MtK Contemporary Art)
2021 「血の塩 Salt of Blood」(東京 LEESAYA)
2021 「余の光 Light of My World」(京都・福知山 旧銀鈴ビル/ALTERNATIVE KYOTO)