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SIGNFIE UNE FILLE Yoshihito Noto 2011-2016 Works
今週のギャラリーは、『SIGNFIE UNE FILLE Yoshihito Noto 2011-2016 Works』を開催しています。
作家・能登俊人による個展です。
会期:2016年11月29日(火)~12月4日(日)
12:00~19:00(最終日は18:00まで)
能登さんは、学生の頃から、幼い女の子をモチーフとした作品を制作してきました。初めての個展となる今展では、2011年から今年にかけて制作した全29 点の作品を発表します。
「おかっぱ頭」と「ワンピース」が特徴的なこの女の子達は、主にアクリル絵具、墨汁、岩絵具を使って描かれています。
テレビやインターネットなどのメディアで様々なイメージが溢れかえるこの時代において、一目で覚えやすく、記憶に留まりやすい形というものを意識しながら能登さんは日々、女の子のイメージを模索しているそうです。
一般的なキャンバスやパネルの代わりに、チョコレートの包み紙やファストフードの包み紙、レシートやダンボールなどの素材を用いた作品もあり、その独特の手法にもぜひご注目ください。
※12/3(土)16時~作家を囲むパーティを開催します。お気軽にご来場下さい。
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小さい頃、セーラームーンやカードキャプターさくらによく憧れた。
格別に意識しなくてもアニメやマンガ、またこの国特有のコミカルなキャラクターたちはあらゆる枠を超えて量産され愛され続けている。
20代前半の私が今こうやって女の子の絵を描いたりすることは同世代やその下の世代でも特別なことではないだろう。空気を吸うように、水に触れるように、ありふれた物事のひとつなのかもしれない。
ある日「ミッフィーちゃん」でお馴染の作者ディック・ブルーナに関する本を読んだ。あのうさぎのキャラクターが形になるまでの彼の人生や、それに影響を与えた時代の出来事。
おもしろいのはそんな彼の存在さえ薄くして、今日もどこかの誰かの傍らで(そしてこの文章を読むあなたの頭の片隅で)「ミッフィーちゃん」のイメージが立 ち上ること。女の子の絵というモノを、このキャラクターが多く戯れる国でより遊ばせてあげるのなら、それは極端に確立されたキャラクターもいいが、指示す れば誰でも描けて、本当に空気や水のように、どこにでも馴染んでしまう、そんな記号を作りたい。そうささやかに思いながら、この5年間、紙やパソコンの ディスプレイとにらめっこしている。
〈能登俊人/NOTO Yoshihito〉
1991年 東京都出身
2010年 京都市移住
2011年 成安造形大学入学
2015年 同大学美術領域日本画卒業