偶然にも父との同時開催となった。

父はメインの部屋、僕はコラージュという小部屋。

同時開催というのもあって、少し難しく考えてしまう。

しかし、それも楽しみの一つとして挑戦したい。

「κρίσις」（クリシス）今回のタイトルである。

このギリシャ語は危機（crisis）の語源であり、ピポクラテスによって「疫病の転換期」という使われ方をしていた。

症状は好転するかもしれないし、悪化するかもしれない。

悪くなるか良くなるか、岐路に立たされているという意味である。

遠い世界も身近な世界も必ずどちらかに転ぶとしたら、

僕は人が死なない方向へ転べと信じたい。

どちらへ転ぶか誰も知らないが、その信じたい心を作るのは周りの人々、

恋人や友人、家族からの愛なのだ。

だから僕は人に恵まれている。

そんな心を持つ僕は両親から生まれ、そして作家活動をしている。

貴志在介

https://www.dohjidai.com/gallery/artist/kishiarisuke/